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大聖寺のミリオンプラザ

 かつて、加賀市大聖寺のまちなかにはユニーをキーテナントとする「ミリオンプラザ」という6階建ての大型ショッピングセンターがあり、街の中枢を成すランドマークともいえる存在として、人々を迎えていました。

 場所は大聖寺東町の十万石通り沿い、大聖寺警察署並び。現在、跡地には特別養護老人ホーム「慈妙院加賀」が建っています。

最終修正:令和6年4月15日 (2)

  

 このミリオンプラザは昭和49年(1974年)11月10日にオープンしています。

 大聖寺地区の小売業者で結成された「錦商業協同組合」が計画、「ユニー加賀店」がキーテナントとして誘致されたもので、ユニー(株)にとっては前年の七尾店に続き、これで石川県内の金沢・能登・加賀の3地区すべてに進出が完了したこととなりました。

 
 ▲ミリオンプラザの記載が残る案内地図

 昭和59年(1984年)版のゼンリン住宅地図によると、この当時の各フロアのユニー以外のテナントは下記の通りとなっていたようです。

[1階]
 おもちゃの池田
 渡辺正花
 靴のマルトミ
 しの原
 ピュアつちやま
 寿がきや
 テント・雨具 にわまさ
 香寿園
 山中石川屋
 万福亭
 たこ焼あらや
 ロンロン
 ニューコマザワ
 コーヒー花
 ヒグチ薬店
 ニュー北斗
 味正

[2階]
 メンズショップ セブン
 メンズ林
 紳士専科フジタ
 赤ちゃんの店 大橋
 メンズアバンギャルド
 ブティック ノダ
 モードショップ ヤシキ
 ロゼエ
 ミナミ
 パーラーみつば
 パーラー森永
 カジュアルジーンズ ジャック
 今村証券

[3階]
 ミカ美容室
 ゲームコーナー東光商事
 ローゼン
 野田忠呉服
 ヤタシチ家具
 ブティック羅舞
 ナイティ・ベッド用品 ワールド

[4階]
 ヤマデン
 本と雑誌と文具のダイセイコー
 マルヰ
 プレーワン
 バルザ

[5階]
 展示場

[6階]
 事務所
 第1・2・3会議室
 展示場

 こうしてテナントを見ると、全国チェーン的なものは寿がきや、森永が目立つ程度で、かなり地元業者の比率が高いように見受けられます。

 商店街の個人業者が集まり、ユニーとともに力を合わせて加賀市を代表するに値するショッピングセンターを作り上げていたのでしょう。

    

 平成2年(1990年)の住宅地図では、ユニー以外のテナントは下記のようになっていました。

[1階]
 山中石川屋
 あらや
 ニューコマザワ
 ピュアつちやま
 花
 渡辺正花
 マルトミ
 池田
 味正
 しの原
 ロンロン
 寿がきや

[2階]
 セブン
 フジタ
 大橋
 クリップ
 ノダ
 HAYARIYA
 みつば
 森永
 ターナー
 ジャック

[3階]
 野田忠
 ローゼン
 じゅん子の部屋
 くれぱす
 ラム
 ヤタシチ
 羅舞
 アン

[4階]
 ダイセイコー
 ヤマデン
 バルザ
 プレイワン
 まるヰ
 ミカ&シャネル美容室

[5階]
 ゲームコーナー(東光商事)

[6階]
 事務所
 第1・2・3会議室
 展示場

 平成3年(1991年)10月10日、1,000台を収容できる4階建ての立体駐車場棟がオープンしています。これは道路を隔てた東側の敷地に増築されたもので、本館とは道路上を横断する形の渡り廊下で繋がっていた模様です。

 このようにマイカー時代にも対応されたミリオンプラザですが、90年代なかばに差し掛かると、加賀市でも郊外型大規模ショッピングセンターの進出が相次ぎ、平成8年(1996年)7月12日に「ジャスコ加賀の里ショッピングセンター」、平成9年(1997年)3月27日には「アビオシティ加賀」がオープン。苦戦を強いられるようになっていったようです。

 平成12年(2000年)8月22日、キーテナントであった「ユニー加賀店」があえなく撤退に追い込まれます。

 同年2月2日付け北國新聞朝刊の記事によれば、晩年の売り上げは最盛期の半分にまで落ち込んでいたそうです。

 普通、大資本のショッピングセンターといえば地元商店街にとって仇敵というところも多いと思うのですが、ここ大聖寺においては違ったようで、ユニー閉店を報じる記事には、加賀商工会議所小売商業部会が「ユニー加賀店は周辺の小売店への回遊効果をもたらした」と評価するコメントを寄せていました。それだけに、閉店は街にとって非常に痛手だったことでしょう。

 平成12年(2000年)版の住宅地図によれば、当時のミリオンプラザのテナントは下記の通り記載されていました。

[1階]
 山中石川屋
 ピュアつちやま
 花
 味正
 野田忠
 コットンハート
 万福亭
 ターナー
 TFG
 フルムーン
 しの原
 パレットプラザ
 堀川製茶
 フローリスト ワタナベ
 ジュエリーマキ
 デジタルショップかが
 ボローニャ
 ミリオン1番

[2階]
 100円ショップ ダイソー
 みつば
 森永
 ジグザグ

[3階]
 ヤタシチ
 ダイセイコー
 ゲームコーナー
 ヤマデン

[4階]
 バルザ
 子供広場
 ゲームコーナー
 まるヰ

[5階]
 (空白)

[6階]
 錦商業協同組合
 会議室
 展示場、催事場

 しかし、平成12年(2000年)10月3日付け北國新聞朝刊によると、この時点までで実に4分の3ものテナントが撤退。最盛期は28店舗を数えたテナント数が、わずか7店舗にまで減ったという過酷な結果が報じられていました。

 集客のかなめであったユニーが閉店したことで、プラザ内の買い物客の流動が失われたことが原因のようです。

 記事では「シャワー効果がとだえた」という表現がなされていました。

 テナントの大量撤退によって生じた空きスペースをなんとか有効活用しようと、この10月からはフリーマーケットを開催。同年12月からは津軽三味線やよさこいソーランなど趣味の講座開催や作品展示なども実施される一方、残った7つの店舗は自主管理運営委員会を組織し、電気代などを折半しながら営業を続けていたということです。

 なお、建物のうち増築分である東側の立体駐車場棟はいち早く解体され、跡地には平成15年(2003年)10月2日に「シメノドラッグ大聖寺店」がオープンしています。

 平成17年(2005年)の住宅地図を見ると、ミリオンプラザだった建物は面積こそ縮小すれど健在の様子ですが、店舗名やビル名の記載はまったく無く、すでに空きビルと化している様子がうかがえました。

    

 そして、とうとう平成19年(2007年)9月頃に解体工事が開始され、跡地は社会福祉法人篤豊会による特別養護老人ホーム「慈妙院加賀」に。大聖寺の賑わいの中心だった場所は、お年寄りが静かに余生を送る場所に変わったのです。

 
 ▲シメノドラッグは元ミリオンプラザの立体駐車場跡地


参考文献
 「北國新聞縮刷版」各号
 「加賀市・江沼郡明細区分図」各年版(日本地政協会)


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