もりさけてんTOP > もりさけショッピ > 当ページ

こまビルのあった小松駅前

 現在、小松駅西口バスターミナルになっている場所には、かつて「こまビル」というショッピングセンターがあり、小松駅前のシンボルとして親しまれていました。(株)小松ビルディングという会社が管理する商業ビルで、かつての北陸鉄道(株)小松営業所跡地に建設されたものです。

最終修正:令和6年4月15日 (3)

 「こまビル」は昭和45年(1970年)4月3日、北陸鉄道(株)小松営業所の跡地にて開業。オープン当初は市民から「白亜の殿堂」とまで呼ばれたといいます。

 オープン当日の北國新聞朝刊に掲載されている広告によると、当初のフロア構成は下記の通りとなっていたようです。

[地階]
 食品スーパー F・バザール
 和菓子 細川
 パン・ケーキ あずま屋
 ふる里の味 すみげん
 和菓子 夢殿本舗
 洋菓子 マルフジ
 茶と茶道具 小松園
 北陸銘菓 御朱印
 スナック喫茶 フロリダ
 洋食・喫茶 ちとせ
 8番ラーメン
 天婦羅・酒 天一
 割烹・寿司 福助
 喫茶 友月
 中華 駒長
 京風料理・寿司 磯
 理容 河原
 クラブ 京はん
 和風食事処 あどや
 喫茶 パーラグリーンファイブ
 カレー アラビアン
 ハンバーグ 8番フードサービスチェーン

[1階]
 いとはん
 ユー・マート
 たばこ・ミルク リク
 メンズショップ エンチ
 世界の紳士服 エフワン
 旅行案内 北鉄交通社
 化粧品・アクセサリー リリー
 ビューティー ニシモト
 宝石 美宝
 靴 キャロン
 銘菓・九谷焼 小松物産振興協会
 バッグ やまがみ
 ヤングファッション リーブル
 肌着・別誂足袋 たびよし小松店
 玩具・お人形 トップキタセ
 カメラ フジタ
 きり花・園芸 花の紙八
 受付・案内所

[2階]
 いとはん

[3階]
 いとはん
 カメラ・写真 ヤマダフォト
 レコード山畜
 スポーツ用品 ハシモト運動具店
 アクセサリー モリ
 おもちゃ さのや
 金物・家庭用品 なかにし
 ファミリーレストラン こま
 書籍・文具 にしき堂
 陶芸 こまビル食品ストアー
 高級呉服 大若
 家庭用雑貨 バラエティーストアー

[4階]
 ボウリング場 小松スカイボーリング(24レーン)

[5階]
 (記載なし 事務所?)

 食品スーパーの「バザール」、衣類・寝具の「いとはん」の2つがキーテナントであったといえそうですね。なんと8番が「ハンバーグ」の店を出していたらしいのが驚かされる点のひとつです。

 4階の「小松スカイボーリング」は当時の尾小屋鉄道(株)の経営で、オープンから少し遅れて昭和45年(1970年)5月30日に開業している模様です。ショッピングセンターのなかにボウリング場とは驚かされますが、当時はおりしもボウリングブームの渦中。街があれば必ずボウリング場があるといった時代だったようです。

 この「小松スカイボーリング」は北陸鉄道(株)経営だった「ジャンボボール」よりも先に開店していたことになります。

    

 昭和45年(1970年)6月11日からはビルの周囲に小松駅前の新しいバス乗り場が整備されています。バス待ちの合間の軽いショッピングにも便利で、また「こまビル」での買い物を目的にバスで郊外から出てくるという人も多かったことでしょう。

 一方で、昭和49年(1974年)9月11日を最後に4階の「小松スカイボーリング」が閉鎖となっています。ビル内という制約からレーン数が限られているなど手狭な面もあったようで、同業者との競争に打ち勝つことができなかったのでしょう。ボウリング場だったフロアは売り場として転用された模様です。

 核店舗となっていた「いとはん小松店」については、昭和52年(1977年)2月28日にジャスコ(株)が子会社として「いとはんジャスコ(株)」を設立。その後、昭和52年(1977年)8月21日に(株)いとはんが「いとはんジャスコ(株)」へ合流する形で経営統合が行われ、これに伴って店名も「ジャスコ小松店」となっています。

 なお、昭和53年(1978年)5月21日にいとはんジャスコ(株)は「北陸ジャスコ(株)」と改称されています。

 昭和62年(1987年)にはビルの愛称が「ライブタウン COMA(コマー)」として一新されています。といっても「こまビル」の名前はあまりにも定着していたようで、例えば北鉄時刻表の小松駅前のりば案内も「こまビル」表記のまま変更されていませんでした。

 平成2年(1990年)の住宅地図によると、「ライブタウンコマー」のテナントは下記の通り記されていました。

[B階]
 友禅の館小松店
 カントン
 ふろりだ
 力寿し
 福助寿し
 細川本舗
 福助うどん
 ローズシアター

[1階]
 靴下屋
 ベストマン
 メンズショップ エンチ
 ニシモト
 キャロル
 プチキタセ
 都
 こまりりー
 リーブル
 フジカメラサービス
 シモトク
 ひろ
 エル女苑
 美宝堂
 やまがみ
 リク
 ソフィーララ
 北鉄航空
 北鉄観光
 商品券総合案内所
 ミスタードーナツ小松ショップ
 モスバーガー小松駅前店

[2階]
 北陸ジャスコ

[3階]
 北陸ジャスコ
 なかにし

[4階]
 アバンギャルド
 樹氷
 山畜
 オートモ
 ラアミー
 ゲームピア ジョイカム
 さのや
 書林コマー店

[5階]
 コマ文化スクール

 なんと地下にあの「友禅の館」(平成3年(1991年)12月18日倒産)が入っていることに驚かされます。

    

 その後、平成4年(1992年)12月31日を最後に当初からのキーテナントであった「ジャスコ小松店」が撤退しています。前年の平成3年(1991年)12月12日に「ブロードタウン新小松」こと「ジャスコ新小松店」(現:イオン小松店)がオープンしていた関係もあり、新店舗への集約という意味合いもあったのでしょう。

 県内最大規模といわれた1,600台収容可能の駐車場を備え、時代の寵児となった「ジャスコ新小松」。それに比べて、駅前に残されたこまビルには「古い」店という残酷な烙印が押されてしまったわけです。

 それにしても、そのように時代の先端を走っていた「ジャスコ新小松店」が、商号変更時には「イオン小松店」として「新」が取れ、いまやもっと「新」しい店舗である「イオンモール新小松」を前にして、すっかり「古いイオン」となってしまったわけですから、無常というしかありません。栄枯盛衰。かつてこまビルのジャスコに抱かせた思いを、いま、かつての「新」小松店は味わっているのでしょうか。

 残されたテナントは懸命に営業を続け、駅やバス乗り場に至近であることも手伝って買い物客の姿も決して少なくはなかったものでしたが、小松駅前の連続立体化事業に伴う再開発が行われることになり、平成12年(2000年)6月30日を最後に「こまビル」は閉鎖。解体が始まりました。跡地は現在、小松駅西口バスターミナルとなっています。

    

 「こまビル」を管理していた(株)小松ビルディングは、ビルの敷地が行政に収用されることによる換地として小松駅西土地区画整理区域内に土地を取得。そこに建てられたのが「ハイパーホテル小松」で、この建物は現在も同社が所有・管理しているようです。

 
 1、2階はテナントとなっており、こまビル閉鎖後の平成12年(2000年)7月1日からは(株)北鉄観光と(株)北鉄航空の小松営業所も入居していました(平成14年(2002年)3月31日に撤退)。

 ホテルとしての「ハイパーホテル小松」は(株)加州プロパティの運営で、平成12年(2000年)7月19日にオープンしています。「こまビル」のDNAを受け継ぐビルとして、これからも駅前を見守っていくことでしょう。


MORI SAKETEN.com SINCE 2003


もりさけてんTOP > もりさけショッピ > 当ページ





inserted by FC2 system