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 追憶……懐かしい本屋さん

 大手巨艦店の進出、ネットショッピングの到来、そしてついにはペーパーレスの電子書籍時代……。しかし、端から端まで棚の背表紙を見て歩ける本屋さんの紙の匂いが、いまは懐かしいです。

 

最終修正:令和6年4月15日 (6)

 いまはなき石川県の書店チェーンを懐かしんでみたいと思います。

:: 王様の本

 昭和51年(1976年)10月、野々市町扇が丘にて創業。昭和52年(1977年)4月1日に法人化され、(株)王様の本となりました。

 『楽しくて季節感があふれ、最新情報を満載した店づくり』をモットーとされていたようです。いち早く深夜営業を取り入れたり、休憩コーナーや雑貨コーナーを店内に併設するなど、先進的な面もありました。また、店舗づくりの特徴として、なぜか必ず入口に段差が設けてあり、ステップを降りて店内に入る格好になっていました。

 若い世代から“さまほん”と略され、漫画の品ぞろえの豊富さも売りとするなど、いま思うと、ヤング層に向けた店舗づくりを目指していたように思います。

 平成19年(2007年)4月10日までに全店とも閉店……。廃業となり、姿を消してしまいました。

 「本店」
 金沢工業大学近く、扇が丘の現在「うつのみや金沢工大前店」および「田井屋吉兵衛」の場所が本店でした。

 昭和51年(1976年)10月創業当初は、当時の住宅地図を見るに、晩年の大型店舗と比べてごくコンパクトなもので、いまうつのみやの駐車場になっている敷地に道路に面して出店していたようです。その頃の駐車場は現在、カレーのチャンピオン本店になっているところに第1駐車場、いまのうつのみやの店舗になっている2代目店舗の用地に第2駐車場が設けられていたようですね。

 平成6年(1994年)10月29日、第2駐車場だった場所を利用して新築オープンを果たしています。これが最終的な姿で、いま「うつのみや」として利用されているのと同じ建物となります。

 当時としては日本海側最大とされたワンフロア400坪を誇る巨大店舗で、とくに拡大されたコミックコーナーは、広告によれば以前の25倍の量となりました。また、隣接地にCDショップ「サンミュージック工大前店」が営業されていましたが、お互いに共存共栄、相乗効果が図られていたのではないかと思います(現在、その場所もうつのみやの駐車場となっています)。

 閉店後、平成20年(2008年)2月に「うつのみや金沢工大前店」および「田井屋吉兵衛」が居抜きオープンしました。“さまほん”時代の入口の段差は健在です。

 
 ▲現在の「うつのみや金沢工大前店」


 「入江店」
 昭和56年(1981年)3月21日開店。西インター大通り沿い、現在の中村ビル向かいにあったようです。平成7年(1995年)〜平成8年(1996年)の間に閉店しています。


 「松任店」
 昭和59年(1984年)12月、国道8号線松任バイパス沿いの乾町交差点近くにオープンした店舗です。

 平成7年(1995年)〜平成9年(1997年)の間のいずれかの時期に、駐車場を挟んだ西側に2号館としてB館がオープンし、従来の店舗はA館となりました。

 閉店後、A館は業務用スーパーの「グルメプラザマルシン松任店」を経て作業着の「K&K白山店」、B館は「ダイソー松任徳丸店」となっています。

 特筆すべきこととして、同店舗の隣接地には王様の本時代そのままの上屋が完全にそのまま残っており、「王様の本」のロゴも令和の時代になお拝むことができます。また、ダイソーの店舗入口には段差があり、王様の本時代のフロアの面影を色濃く残しています。

 
 ▲現在は100円ショップとなっているB館

 
 ▲王様の本時代そのままの上屋が残っています

 
 ▲私たちは王様でした


 「駅西店」
 平成3年(1991年)11月、国道8号線金沢バイパス沿い、駅西姉妹都市公園前にオープンした店舗です。

 倒産より前の平成15年(2003年)3月頃に閉店していたようです。
 (情報ご提供:ぽんさん)

 現在、建物はインターネットカフェ「アプレシオ金沢駅西店」として使われています。

 隣接地には「コジマ電機NEW金沢駅西店」やカレーの「三休庵」などがあり、賑わっていたものでしたが、いまではそれらのお店もなくなってしまいましたね。

 
 ▲現在はネットカフェに


 「小松店」
 平成6年(1994年)7月、小松市内の旧8号線沿い、大領町のロードサイド店街にオープンした店舗。閉店後は平成19年(2007年)11月に「ブックスなかだ小松大領店」となりましたが、北陸新幹線用地に土地の一部が収用されることとなり、これも平成30年(2018年)7月1日閉店、建物は撤去されました。その後、建物があった場所の一部を利用して「スギ薬局小松南店」が新築オープンしています。


 「桜田店」
 平成8年(1996年)3月オープン。桜田町交差点近く、現在、「焼き肉きんぐ金沢桜田店」のある場所にあり、「ケーズデンキ桜田店」と並んで出店していました。

 平成19年(2007年)1月31日に閉店したようです。
 (情報ご提供:ぽんさん)


 「羽咋店」
 平成8年(1996年)7月、羽咋市石野地区のロードサイド店街にオープンした、能登地区唯一の「王様の本」でした。閉店後は「文苑堂書店羽咋店」となりましたが、建物の入口にはおなじみの段差があり、“さまほん”時代をほうふつとさせています。

 
 ▲現在は文苑堂書店に……

 「加賀店」
 平成8年(1998年)10月開店。加賀市西島町の国道8号線沿いにあったようです。閉店後は「西島多目的ホール梅林閣」となっていましたが、いまは取り壊され、トラックなどの車両置き場として使われているに過ぎません。なお、お店のあった場所と並びの東隣の土地に「8番らーめん本店」がリロゲートしてきましたので、これが場所の目印になりそうです。


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:: 荒屋書店

 (株)荒屋書店が主に金沢市北部で展開していた書店・レンタルビデオの複合店で、キャッチフレーズは『楽しさ底ぬけ! 遊・聴・読』『明日への文化と娯楽の創造を目指す情報発信基地』としていました。積極的にコメント付きの手作りPOPを置くなど、分かりやすくて選びやすい配慮もあったように思います。

 若い世代からは“あらしょ”と呼ばれ、親しまれていました。

 「百坂店」
 遅くとも平成元年(1989年)頃には開店しています。荒屋書店の本店的な存在であり、最後の店舗でした。

 当初はレンタルビデオ「マイロード」も併設していました(建物の北側)。管理人が生まれて初めてレンタルビデオ屋さんというものに触れたのが、ここ「マイロード」でした。のちにレンタルビデオ部門と書店部門の垣根が廃され、一体的な店舗となっています。

 平成18年(2006年)〜平成19年(2007年)にかけ、旧マイロードだった一角が仕切られてコンビニエンスストア「サンクス金沢百坂店」としてオープン。平成21年(2009年)〜平成22年(2010年)にかけて荒屋書店のほうが閉店してしまい、「サンクス」のみが残りました。

 その後、平成23年(2011年)4月頃には旧荒屋書店だったフロアに高速ツアーバス「MKツアーランド」の事務所が入居していましたが、移転に伴って建物は解体され、現在は建て替えられた「ファミリーマート百坂町店」とその駐車場となっています。

 書店の店舗がすべてなくなってからも法人としては存続していたようで、旧百坂店向かい側の園芸店の一角に社名の看板が置かれていた時期がありました。

 
 ▲MKツアーランド時代の様子


 「有松店」
 有松南交差点角、現在「個別教室のトライ金沢有松校」となっている場所にあった店舗で、じつは本店的存在だった百坂店よりも歴史が古く、昭和56年(1981年)〜昭和57年(1982年)にかけてのいずれかの時期、都市計画道路の開通に伴って出店していた様子です。

 当初は「アラヤブックス」を名乗っていたようですが、昭和58年(1983年)〜昭和59年(1984年)にかけてのいずれかの時期に「あらや書店有松店」と改称したようです。その後、郊外型店舗として百坂町への出店攻勢をかけ、一転して金沢市北部へと転身したということになるでしょうか。

 なお、住宅地図を調べると金沢市森山の国道159号線沿いにも「あらや書店」というお店があったらしいのですが、関係していたのかどうかは分かりません。

 荒屋書店有松店は平成5年(1993年)12月までに閉店。その後、「ふくろ書店」という店名の書店となっていた時期もあるようですが、荒屋書店と関連していたのかは分かりません。

 
 ▲小規模なお店だったようですね


 「高柳店」
 平成5年(1993年)12月3日、東インター大通り沿いの乙丸陸橋北詰にてオープン。同時に敷地内において「らーめん孫悟空」もオープンしています。

 平成13年(2001年)〜平成14年(2002年)にかけて店内の一角が「セカンドストリート」に。そして平成15年(2003年)〜平成16年(2004年)頃には荒屋書店のほうが店を閉め、軒を貸したら母屋が……のように「セカンドストリート」へ一本化しました。いまも「セカンドストリート高柳店」は盛業中です。

 
 ▲現在のセカンドストリート高柳店


 「松村店」
 平成9年(1997年)〜平成10年(1998年)頃、金石街道沿いの松村町交差点前にて開店しています。もと「ハイリス西部店」を経て「全日食チェーン松村店」だった場所でしたが、長くは続かず、平成11年(1999年)〜平成12年(2000年)に「ブックワールド」となったのち、それも閉店。平成13年(2001年)の住宅地図では、空き家となっています。跡地は平成14年(2002年)「デイリーヤマザキ金沢大徳店」となりました。


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:: ブックスふかざわ

 (有)ブックスふかざわが主に金沢市南部で経営していた書店チェーンです。同社は現在は「質屋かんてい局」のフランチャイズ経営のほか、金沢市の教科書販売店としての営業も続けておられるようです。

 「金沢久安店」
 平成元年(1989年)10月20日開店。久安南バス停前にあった本店機能を持つ店舗です。店内にはインターネットの体験コーナーが設置されていたこともありました。平成29年(2017年)4月30日に閉店し、「質屋かんてい局金沢久安店」の経営に舵を切りました。

 
 ▲現在、表側は「質屋かんてい局」ですが……

 
 ▲店舗裏側に「ブックスふかざわ」が残っています


 「ラパーク店」
 平成20年(2008年)、「ラパーク金沢」の書籍売り場だった「うつのみや」の退店に伴って、後継店舗として出店。当初は「うつのみや」時代と同様に2階にて営業されていましたが、のちに1階の現在サイゼリヤになっているフロアへ移転しました。

 ラパークが「メガドン・キホーテ」としてリニューアルしたあとも引き続き1階にて営業されていましたが、平成28年(2016年)〜平成29年(2017年)の間に閉店しました。


 「エル店」
 金石街道沿い、寺中西交差点角の西田ビル1階にて「BOOKエル」という屋号として営業していましたが、電話帳では「ブックスふかざわエル店」として掲載されていました。

 昭和63年(1988年)〜平成元年(1989年)にかけてオープン。平成24年(2012年)〜平成25年(2013年)にかけて閉店し、いまは「らーめん松田屋」となっています。


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:: のと書店

 主に金沢市南部で営業されていた、若い男性向けの雑誌や書籍などに力を入れていたタイプのチェーン店だったそうです。

 「菊川店」
 猿丸神社前バス停近く、[83]石引線の走る経路沿い、菊川一丁目の「コーポ光揚」1階、現在「北陸中日新聞幸町専売所(株)守部新聞店」の入っている区画にあったお店で、のと書店最後の店舗でした。

 新刊コミックや男性向け雑誌などが充実しており、深夜1時という時間帯まで営業していたのも特徴でした。また、入口にアーケードゲーム機が、まさに“アーケード”ゲームといった感じで置いてあった時期もあったような記憶があります。

 当初は「ブックランド」という店名だったようですが、平成元年(1989年)〜平成2年(1990年)の間に「のと書店菊川店」となっています。

 平成15年(2003年)〜平成16年(2004年)にかけて閉店しています。

 
 ▲現在は新聞販売店です


 「有松店」
 有松交差点角のエスポアメゾン1階、現在「学習塾ノエクリ有松校」になっている場所にありました。昭和55年(1980年)〜昭和56年(1981年)にオープンしており、じつは有松が本来の元祖だったのでしょうか。荒屋書店と境遇が重なります。また、学習塾になっているという点も、なぜか荒書と同様です。

 となると、最後の店舗となった菊川店のほうは、もともと別の経営者が手掛けていたお店を買収したのかも知れません??

 どうやら平成5年(1993年)までは小規模なサイズの独自店舗として営業していたようですが、平成6年(1994年)〜平成7年(1995年)頃に旧店舗のほか「やきとりさとう」「マリーのパン」などの区画とともにマンション「エスポアメゾン」が建ち、その1階で新店舗として営業を続けることにしたようです。

 こちらもあとまで残った菊川店と同様、深夜24時までと遅い時間まで営業する本屋さんでした。

 平成13年(2001年)〜平成14年(2002年)にかけて閉店し、のと書店は菊川店だけになりました。

 
 ▲現在はノエクリ。バスの車窓からもよく目立ちます


 お店の思い出をお持ちの方は、ぜひ掲示板へ書き込みをお待ちしています。また、ほかにも店舗があったぞいやということを知っている方はご教示をお願いします。


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