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近江町市場おうみちょういちばといちば館


最終修正:令和6年4月1日 (3)


 
 金沢市民の台所、近江町市場です。

 近江町市場は藩政期、城下のあちこちにあった魚市場や青物市場をまとめてできたもので、起源は江戸時代、享保6年(1721年)にまで遡るそうです。かつては日曜日は休業となっていましたが、現在は日曜営業も実施されています。新鮮な海鮮丼や寿司から金沢カレーまで、金沢の味覚はすべてここに集まっているということができるでしょう。

 観光で訪れた県外の方の会話を聞いていると、よく「近江市場」と「町」を抜いて呼ばれているのを耳にしますが、地元では必ず「町」を付けて「近江町市場」と呼称するのが普通です。また、とくに「近江町」と略します。金沢人にとって「近江町」といえば「近江町市場」とほぼ同義です。その場合は「お」だけを高く発音し、「[おー]みちょう」と呼称するのが地元流です。

 筆者の祖父母の会話でも「近江町で買うてきた」とか「近江町へ買いにへ行くか」「近江町行って見てきたけどお」といったもので、「市場」とは決して付けなかったな……ということを記憶しています。「近江町」という言葉が、そのまま「市場」と言っているのと同じだったからでしょうね。


 
 近江町市場のランドマーク「近江町いちば館」は武蔵ヶ辻第四地区市街地再開発組合の手により、平成20年(2008年)12月1日から1階限定でプレオープンを行ったのち、平成21年(2009年)4月16日に全館オープンしています。

 地下1階はフードコートやドラッグストアの「マツモトキヨシ」、1階は市場、2階は飲食店街、3階以上は行政施設となっており、4階には市役所出先機関の「近江町市民センター」があります。観光客のみならず、地元民にも便利な複合商業施設です。


 
 近江町いちば館館内の様子です。活気あふれる市場の風景ですが、これはビルのなかです。

 いちば館1階は市場のアーケードと全く連続した作りになっており、どこからがビルでどこからがアーケードなのか、気にしなければ分からないほどです。

 エムザ口から入って、杉本水産、川木商店がある辻よりのびる「新通り」がそれで、この通りはすべていちば館の館内に含まれます。もりもり寿司やフルーツ坂野のある通りです。市場と館内がシームレスに連続した雰囲気になっています。

 近江町市場の通りは、空から見ると「女」という文字の形になっていると以前はいわれていたものでしたが、この「新通り」ができたために、「女」の字は崩れたことになりますね。

 オープン翌年、平成22年(2010年)版のゼンリン住宅地図によると、オープン初期のこの頃の各階の構成は次のようになっていました。
[B1]
 らうめん侍の侍
 仙桃
 だいあん
 みなせん
 キャラバンサライ
 ジョアン
 牛乳村夢番地
 だし巻屋
 良緑堂茶楽
 みつばちの詩工房
 シメノドラッグ
 もりもり寿し近江町2号店
[1階]
 カフェ・アルコ・メルカート
 あらき
 ミスタードーナツ
 丸年呉服店
 フルーツきたむら
 山本商店
 小畑商店
 のざき
 杉本水産
 ダイヤモンド
 無添加パンまつや
 Bar 木村
 もりもり寿し
 しば田
 土橋商店
 いきいき亭
 加川珍花園
 みやむら
 鳥由
 天狗中田青草町店
 北形青果
 徳一商店
 高川物産
 中
 かみや商店
 今川焼寿美田
 ヤングドライ
 土谷商店
 山安商店
 長谷川商店
 石川青果
 赤小商店
 北川食品
 フルーツ坂野
 フルーツはしもと
 牧果実店
 ヤマカ水産
 越山甘清堂
 山本青果
 みなみ
 市安商店
 清正商店
 オーミスーパー
 新力水産
 川木商店
[2階]
 近江町いちば館管理組合事務所
 市の蔵
 ラ・クック・ミニヨン
 鮮天
 仙桃
 あんやと
 麺丼や
 旬彩和食 口福
 金沢屋吉右衛門
 近江屋伝兵衛
 ひら井
 近江町いちば館中央監視室
 (株)米沢ビルシステムサービス
 青草辻開発(株)
 近江町いちば館ビル管理事務所
[3階]
 近江町いちば館駐車場
 金沢市近江町交流プラザ
 食育広場
 ちびっこ広場
[4階]
 近江町いちば館駐車場
 金沢市近江町交流プラザ
 まなびぃ広場
 近江町市民サービスコーナー
[5階]
 医療・事務所

 翌年には地下に「チャンピオンカレー近江町店」がオープンしています。

 
 ▲地下にはチャンカレ

 北陸新幹線金沢開業の年、平成27年(2015年)当時のテナントは次のようになっていました。
[B1]
 ラーメンおみちょ
 キャラバンサライ
 だし巻屋
 良緑堂茶楽
 シメノドラッグ
 能登里山里海市場
 比沙家京やきぐり
 カレーのチャンピオン
[1階]
 カフェ・アルコ・メルカート
 あらき
 ミスタードーナツ
 丸年呉服店
 フルーツきたむら
 清商店
 小畑商店
 のざきの鮮魚
 杉本水産
 ダイヤモンド
 無添加パンまつや
 逸味潮屋
 もりもり寿し
 しば田
 土橋商店
 いきいき亭
 加川珍花園
 みやむら
 鳥由
 天狗中田青草町店
 北形青果
 徳一商店
 高川物産
 中菓子舗
 紙谷商店
 今川焼寿美田
 ヤングドライ
 土谷商店
 山安商店
 長谷川商店
 石川青果
 赤小商店
 北川食品
 フルーツ坂野
 フルーツはしもと
 牧果実店
 ヤマカ水産
 越山甘清堂
 山本青果
 みなみ
 市安商店
 清正商店
 オーミスーパー本店
 新力水産
 川木商店
 まめや金澤萬久
[2階]
 近江町いちば館管理組合事務所
 市の蔵
 ラ・クック・ミニヨン
 鮮天
 仙桃
 ゆず
 麺丼や
 旬彩和食 口福
 金澤屋吉右衛門
 近江屋伝兵衛
 ひら井
 青草辻開発(株)
 近江町いちば館ビル管理事務所
[3階]
 近江町いちば館駐車場
 金沢市近江町交流プラザ
 食育広場
 ちびっこ広場
 金沢アート・グミ
 福祉ショップひまわり
[4階]
 近江町いちば館駐車場
 金沢市近江町交流プラザ
 まなびぃ広場
 近江町市民センター
[5階]
 金沢市近江町消費生活センター
 公益財団法人介護労働安定センター石川支部

 

 令和5年(2023年)版の住宅地図では、テナントは次の通りです。
[B1]
 だし巻屋
 良緑堂茶楽
 マツモトキヨシ
 能登の台所
 夢屋
 カレーのチャンピオン
 みなと屋
 おっ餅さん堂
 中島めんや
[1階]
 紙工房あらき
 近江町珈琲
 ミスタードーナツ
 丸年ムサシ店
 フルーツきたむら
 清商店
 のざきの焼き魚
 杉本水産
 ダイヤモンドLII
 無添加パンまつや
 逸味潮屋
 もりもり寿し
 土橋商店
 いきいき亭
 みやむら
 鳥由
 天狗中田青草町店
 北形青果
 徳一商店
 高川物産
 今川焼寿美田
 ヤングドライ
 土谷商店
 長谷川商店
 石川青果
 赤小商店
 北川食品
 (株)フルーツ坂野
 フルーツはしもと
 牧果実店
 越山甘清堂
 山本青果店
 みなみ
 市安商店
 オーミスーパー本店
 新力水産
 川木商店
 まるひな良縁堂
 すゞめ
 海藻ライフ
 豆腐屋 二六芝田
 近江町フラワーマーケット
 かさい
 能登牛たくみ
 ヤマカ水産近江町本店
 ヤマカ水産新通り店
 近江町花屋凛華
 百萬商店
[2階]
 近江町いちば館管理組合事務所
 市の蔵
 鮮鮮えにし
 仙桃
 加賀旬菜ゆず
 麺丼や
 旬彩和食 口福
 金澤屋吉右衛門
 近江屋伝兵衛
 ひら井
 いしる飯
[3階]
 近江町いちば館駐車場
 金沢市近江町交流プラザ
 食育広場
 ちびっこ広場
 金沢アート・グミ
[4階]
 近江町いちば館駐車場
 金沢市近江町交流プラザ
 まなびぃ広場
 金沢市近江町市民センター
[5階]
 金沢市近江町消費生活センター
 公益財団法人介護労働安定センター石川支部
 (株)トリニティコアシステム
 (株)RECTO
 (株)ゼロインフィニティ


 
 近江町いちば館前には北鉄バス・JRバス「武蔵ヶ辻・近江町市場」停留所の2番「いちば館前」のりばがあります。いちば館と一体化した大型の上屋が設置されており、雨天でもストレスなくバスを待つことができます。


 
 (過去)もうひとつ存在していた近江町のビル、「近江町市場駐車場」です。レトロな雰囲気を醸し出していた建物は5階建てで、1階南側は市場のアーケードに面し、共同店舗「近江町市場名店街」として営業。2階〜5階および屋上は立体駐車場として供用されていました。

 この「近江町市場駐車場」は、「金沢市近江町市場史」によると昭和49年(1974年)12月3日から駐車場部分の営業を開始。追って同年12月16日より1階部分の共同店舗「近江町市場名店街」もオープンしたようです。

 これに続き、昭和53年(1978年)12月3日には「近江町市場第1次モデル事業」として、隣接地に3階建てで近江町消費者会館などが入る「近江町中央小売センター」が完成。こちらも1階は市場に面した店舗、屋上は駐車場という建物となりました。


 
 (過去)これらのビルで特徴的な点はエレベーターの名称で、3ヶ所あるエレベーターには「バナナ」「ウシ」「タイ」という名称が付いていました。エレベーターのドアに「バナナ」などと大書されている光景にはなかなか圧倒されたもので、これも近江町の隠れた名物といえたのではないでしょうか。

 この「近江町市場駐車場」ビルは老朽化もあって新しい複合商業施設として建て替えられることになり、平成30年(2018年)5月6日の営業を最後に閉鎖、解体されました。


 
 令和2年(2020年)4月2日、近江町市場商店街振興組合による複合商業施設「近江町ふれあい館」として建て替えが完成しました。令和3年(2021年)に迎える近江町市場開場300年に花を添えるものとなっています。

 建物は地上5階建てで、1階には青果店や海産物加工品、日本茶、スイーツなどを販売する店舗5店のほか、多目的広場やキッチンスタジオが。2〜5階と屋上は立体駐車場になっており、225台を駐車することができるそうです。

 建物の名称は公募によって決まったもので、ほかには『OMIPA(オミパ)』や『おみちょぷらざ』といった案もあったそうです。


 
 新しいビルにもエレベーターに付けられた愛称は健在! 「バナナ」と「ウシ」があります。

 お隣の近江町中央小売センターにある「タイ」のエレベーターも健在です。


 こちらのページもどうぞ
 →(味わいバス停)武蔵ヶ辻・近江町市場


参考文献
 北陸鉄道社内報「ほくてつ」各号
 「ゼンリン住宅地図 金沢市(中央部)」各年版(ゼンリン)
 「北國新聞縮刷版」各号
 「金沢市近江町市場史」
 「むさし 限りなき未来へ向けて」(むさし編集委員会・編)


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