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味わいバス停は生きている

南部車庫
なんぶしゃこ

最終修正:令和6年10月5日 (33)

 白山市鶴来地区の北東部、野々市市にも近接した加賀産業開発道路沿いの広大な敷地に北鉄グループで最大の規模を誇る南部基地が広がっています。「南部車庫」はその一角に設けられた停留所です。

 周囲はのどかな田園地帯となっており、人家からはやや離れていますが、駐輪場やパーク&バスライド用駐車場「Kパーク」を併設しており、乗降する人も案外よく見かけます。

 南部基地は平成8年(1996年)3月31日、北陸鉄道(株)野々市営業所と同加賀営業所(寺井)の合併による「南部営業所」の発足とともに営業を開始しています。両営業所から集約された127両ものバスが収容され、まさに北鉄グループ最大の基地として発足しました。この南部営業所が現在の北陸鉄道(株)金沢営業所南部支所です。

 現在は北陸鉄道(株)と北鉄白山バス(株)の2社が使用しており、それぞれ北陸鉄道(株)金沢営業所南部支所と北鉄白山バス(株)本社営業所が広大な敷地をシェアしています。


 
 南部車庫の入口です。表札が掲げられています。右手奥に見える白い建物が管理棟です。のりばはこちらから入って右手の基地内の片隅にあります。


 
 のりばの様子です。北鉄公式サイトの時刻検索では「南部車庫(車庫内)」で登録されています。南部車庫が終点となる便については「南部車庫-A」で降車することになっていますが、これらは2つとも同じ場所です。

 シェルタータイプのガッシリした待合所が設置されています。隣には自転車置き場が整備されており、バスから乗り換える学生さんも多いようですね。これらシェルターと駐輪場は平成8年(1996年)10月頃に完成しているようです。


 
 バス停の向かいにある建物が北鉄南部支所の管理棟です。こちらに窓口はなくなりましたので、ご注意ください。


 
 時刻欄と運行系統図。標準的なものです。


 
 案内関係です。加賀産業道路沿いののりばの時刻を記載した時刻表も掲げられているのが親切です。


 
 南部支所管理棟はシンプルながら機能的な建物です。以前は1階の玄関を入って右手、点呼台の一角に販売窓口があり、ICa、回数券などが取り扱われていましたが、北鉄白山バス(株)本社窓口へ集約される格好で窓口対応は廃止されました。

 管理棟よりも奥には名鉄自動車整備(株)北陸支店南部工場のガレージがあります。

 なお、のりばよりも奥へ勝手に入って行って車両の撮影などを行う行為は不法侵入となってしまいますので、絶対におやめください。


 
 最も入口寄りの位置が予備車コーナーになっているようで、古手のバスがあたかも展示状態で置かれており、バス停にいながらして眺めることが可能です。実際のところは邪魔にならないよう管理棟から遠い位置に寄せてあるだけだと思うのですが、結果としてバス停に一番近いところに古いバスが停めてあるという、私たちマニアにとっては嬉しい恩恵となっています。


 
 基地の東側、従来は未舗装だった敷地は「南部地区開発建設工事」により整備され、平成30年(2018年)3月25日に野々市車庫内から北陸交通(株)本社が、同年4月1日に鶴来駅前から加賀白山バス(株)本社が、それぞれ移転。これにより南部は3社合同の巨大バス基地となっていました。

 令和3年(2021年)7月1日の北鉄グループ加賀地区バス会社再編に伴い、加賀白山バス(株)と北陸交通(株)は合併し、「北鉄白山バス(株)」という1つの会社へ統合──。北鉄白山バス(株)本社営業所となりました。

 ICaなどの乗車券販売は、こちらの北鉄白山バス(株)本社窓口で取り扱われています。


 
 令和4年(2022年)7月2日に「第3回北鉄バス車庫巡りツアー(北陸鉄道南部・東部支所・北鉄白山バス編)」が催行され、普段は足を踏み入れることのできないエリアを見学させて頂くことができました。写真は白山バスのガレージで開催されていた物品販売会の様子です。


 
 「第3回北鉄バス車庫巡りツアー(北陸鉄道南部・東部支所・北鉄白山バス編)」の様子です。主に白山バスが使用している基地南側のスペースを中心にイベントが催されていましたが、北鉄本体が使用しているエリアのバスも自由に見たり撮影して良いことになっていました。


 
 (過去)北陸交通(株)ありし頃の様子です。写真の右に見える白い建物が当時の北陸交通(株)本社と加賀白山バス(株)本社の入っていた社屋で、手前を北交が、奥を白山バスが利用していたようです。


 
 毎年お正月には南部車庫〜白山さん間でパーク&バスライドに対応した初詣シャトルバスが運行されますが、このシャトルバスののりばは自家用車駐車場に隣接した北鉄白山バス(株)本社営業所側に設置されますので、マイカーとの乗り換えがスムーズです。写真は駐車場に到着した初詣バスです。


 
 南部基地の遠望です。安養寺北交差点を過ぎると、田園地帯の向こうにたくさんの車両の並ぶ南部車庫が少しずつ近付いてくる――この車窓は良いものです。


 
 (過去)まだ北鉄白山バス(株)として会社統合になる前の、北陸交通(株)ありし時代の様子です。当時の赤いカラーリングのバスが壁のように連なり、まるで北鉄バスの車庫ではないような風景に変貌していた頃です。扇カラーへの塗り替えが進み、この光景も過去のものとなりました。


 
 加賀産業開発道路沿いののりば(郊外方向)です。北鉄公式サイトの時刻検索では「南部車庫(加賀産郊外方向)」で登録されています。

 辰口線や山島台・川北温泉発着の系統は南部車庫構内には入らず、路上ののりばでの乗降扱いとなります。しっかりとバスベイが整備されていますが、郊外方向、市内方向ともにポール1本の簡素なのりばとなっています。


 
 道路向かい側の市内方向のりばです。こちらは北鉄公式サイトの時刻検索では「南部車庫(加賀産市内方向)」となっています。


 
 (過去)平成24年(2012年)頃〜平成26年(2014年)春頃にかけ、なぜかこのように南部基地の片隅にシェルター上屋がボンと置かれていた時期がありました。歩道整備により「堀内町」のシェルターが撤去され、ここで保管されていたものです。


 
 この南部基地は平成8年(1996年)3月31日、北陸鉄道(株)野々市営業所と同加賀営業所(寺井)が合併して開設された「南部営業所」の発足とともに営業を開始しています。当初は両営業所から集約された127両ものバスが収容され、まさに石川県内最大のバス基地となりました。

 発足当初の敷地面積は約29,380uで、あまりの広さと膨大な車両数を誇るため、乗務員さんが乗務すべきバスを見付けにくいというデメリットもあったようで、これに対応して南部所属車両では前面方向幕横にも初めて車号が記入されるようになりました。これが北鉄グループ全社へ広がっていき、いまでは当たり前の仕様となっていったわけです。

 なお、平成7年(1995年)3月28日付け北國新聞朝刊の記事によれば、当初は「安全運転センター」なる施設も併設される予定だったことが確認できます。


 
 平成13年(2001年)3月4日より担当路線のうち三馬大野線、金沢寺井線が加賀白山バス(株)野々市営業所への管理委託を開始したことから、南部営業所内に「加賀白山バス(株)安養寺支所」が併設され、受託車両は従来通り南部を拠点とする形で運用されました。

 平成16年(2004年)4月25日には松任線、辰口線など一部路線がグループ会社の「ほくてつバス(株)」へ移管されていますが、同社では南部営業所内に「ほくてつバス(株)南部支所」を新設し、従来通り南部基地を拠点として運行が続けられました。

 平成17年(2005年)3月14日からは南部車庫の一角が「Kパーク」として指定され、通勤の際、ここに自家用車を停めてバスに乗り換えるというパーク&バスライドが可能な停留所となりました。

 平成18年(2006年)4月29日には北陸鉄道(株)の組織改編により南部営業所は金沢営業所(旧:西部営業所)が統括する“支所”として再編され、「金沢営業所南部支所」となっています。しかし車体裾部の「南」マークにも変化はなく、運行面では基本的に以前の通りです。

 
 ▲まだ北陸交通(株)が移転してくる前の様子です

 平成21年(2009年)5月31日改正では加賀白山バス(株)への管理委託路線が全て北陸鉄道(株)本体の直営路線に戻ったため、加賀白山バス(株)安養寺支所は幕引きとなっています。

 さらに、平成24年(2012年)10月1日には金沢地区のグループ会社合併により、ほくてつバス(株)が北鉄金沢中央バス(株)および加賀白山バス(株)野々市営業所と合併し、「北鉄金沢バス(株)」が発足。ほくてつバス(株)南部支所は「北鉄金沢バス(株)北部営業所南部支所」となりました。

 平成28年(2016年)4月1日改正で北鉄金沢バス(株)北部営業所南部支所は廃止となり、再び北陸鉄道(株)単独の基地となっています。

 
 ▲北陸交通(株)が移転してくる前の遠景

 しかしそれも束の間、基地の東側、従来は未舗装だった敷地が「南部地区開発建設工事」により整備されたことにより、平成30年(2018年)3月25日に野々市車庫内から北陸交通(株)本社が、同年4月1日に鶴来駅前から加賀白山バス(株)本社が、それぞれ移転してきました。これにより南部は一時期、3社合同の巨大バス基地となっていたのです。

 令和3年(2021年)7月1日、加賀白山バス(株)と北陸交通(株)は合併し、「北鉄白山バス(株)」に。同じ軒に身を寄せ合っていた両社はとうとう1つになりました。


\石川県最大のバス基地だね/
 


こちらのページもどうぞ
 →四十万
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参考文献
 「北國新聞縮刷版」各号
 北陸鉄道社内報「ほくてつ」各号


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*バス停は生きていますので、外観や表示類、風景などには変化が生じている可能性があります。あしからずご了承ください。

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