もりさけてんTOP > バスTOP > 遊覧TOP > 当ページ

山田コミュニティバスに
乗ってみました

最終修正:令和5年2月20日 (8)


MORI SAKETEN.com SINCE 2003

 いまは富山市の一部になった旧山田村と旧八尾町との間には、市を主体とする自治体バス「山田コミュニティバス」が運行しています。そのこと自体は知っていましたが、実際に乗車するというチャンスはいままでありませんでした。

 富山近郊でのバスあそびといえば、富山地方鉄道が年末年始に発行している「年末年始フリーキップ」を使うと経済的な効率がよく、その時期が筆者的には富山乗りバスのオンシーズンとなっているのですが、しかし、ちょうど年末年始はこのような自治体バスが運休になる日が多いのです。それに、もとより本数も少ないこともあり……。

 といっても本当に乗りたいという熱意があれば万難を排してでも乗りに行くわけで、ようは積極的に乗ろうと思ってこなかったというのが本当のところなのですが、平成26年(2014年)9月、富山県在住の☆すきアヒルさんの案内により、ついに乗車の機会が得られました。

 
 [21]山田・牛岳温泉健康センターゆきで山田へと向かいます。山田を訪問するのは学生のときやはり「年末年始フリーキップ」で乗って以来で、考えてみればもう10年ぶりということになります。当時はまだ「山田村」でしたが、現在は「富山市」の一部です。

 ツー、カツーンとFFシフトの爽快な音を響かせながら落合橋を渡ったバスは、やがて山田川に沿いはじめ、車窓はしだいしだいと山の風景に。外輪野、馬頭観音前、皆杓(かいじゃく)といったバス停名に覚えがあり、なつかしかったです。

 
 山田行政センター前下車。10年ぶりくらいでここまで来ました。以前訪れたときはまだ「山田村役場前」の時代。けれども、バス停まわりの風景はその頃とまったく変わっていない気がしますね。コンクリートづくりの立派なバス待合室と、川の音。

 バスは牛岳温泉健康センターへと上っていき、山田コミュニティバスが来るまで、しばしの待ち時間。待合室にはトイレも完備されており、自販機を備えた商店もあって、バスを待つには好適地です。

 
 さて、発車時間の16:00となり、いよいよ山田コミュニティバスがやってきました。3路線が同時発車のため、3両のマイクロバスが川向こうのカーブから相次いで顔をのぞかせ、到着。乗車する「JR八尾駅・八尾高校ゆき」は白ナンバーのふそうローザ。フロントにスクールバスのマーク。運賃箱はガチャン式。放送、降車ボタンいずれもなしで、いかにも“過疎バス”です。

 発車してまもなく、小学校の近くにあるらしい総合センターで小学生が何名か乗車。スクールバスのマークのある通り、通学の小学生が利用の中心なのかも知れません。バスは山を巻いて、たちまち峠道へと登っていきます。車内放送がないので、いったいどこを走っているのかも見当もつかず、途中途中にあるバス停の丸板を読むしかありません。

 この山田コミュニティバスは、富山市への合併前の「山田村営バス」で、さらに時代をさかのぼれば、いまは廃業した「名鉄クレハ観光バス」が一般路線バスとして運行していた路線をルーツとしているようです。路線廃止後も、山田村と八尾町の結びつきが強かったことから、村営バスとして自治体間の幹線が守られてきたのでしょう。

 宿坊と書いて「すくぼ」と読ませる停留所は、行ったり来たりの寄り道区間。本道に戻って、宿坊大橋という大きな橋で、空をとぶみたいに、谷を一気に渡ります。けっこうな長さと高さで、山の能登島大橋という感じ。

 ふたたび平地が開け、高熊というところからは町の雰囲気。川を渡り、急坂をのぼって、西新町から八尾のまちなかへ。古い街並みの軒先は、数日後の「おわら風の盆」のためのぼんぼりで飾り付けられていました。鏡町で地鉄バスでおなじみの風景に再会し、なつかしさを覚えます。山田から八尾まで、意外と近い気がしました。延々と山また山を越えて、1時間くらいはかかるかと想像していたのですが。

 
 JR八尾駅で下車。運賃はわずか200円でした。車体もカラーも様々な自治体バスがてんでんに広場に停まり、過疎バス祭りの様相を呈しているような、なんとも物凄い駅前風景です。合併前は「八尾町営バス」「山田村営バス」「利賀村営バス」だったわけで、まさに自治体バスの品評会のような場所といえます。

 
 ひときわ眼を惹いたのが、ガーラミオの顔をした南砺市営バスのエルガミオ。行き先は「利賀村」です。これに乗れたらなぁー、と同行の☆すきアヒルさんと顔を見合わせたことですが、すでに夕刻で、乗ってしまったら大変なことになりそうです。

 とりあえず、八尾鏡町へ出て地鉄バスで帰りましょうということになり、手近な「八尾町内環状線・右回り」に乗り込みました。観光マスクのふそうエアロミディ。同じ路線の左回りと同時発車なのですが、鏡町まで乗ると知った乗務員さんは、左回りなら鏡町まで先に到着する、このバスは遠回りだよと親切な忠告をしてくれました。けれども、マニアはむしろそれに乗りたいのです。

 このバスも車内放送はなしでしたが、降車ボタンはあり、山田コミュニティバスと比べると、少しだけ路線バスに近付いた感じでした。面白いのはトップドアながら前ドア開閉時にドアブザーが鳴ることで、このような見た目によらず、購入時から町営バスとして使うために生まれてきた車両だと感じさせるものがありました。自治体バスは奥が深いです。

 
 ぐるっーと40分ほど町内をめぐって、八尾鏡町下車。これも200円。けっこう乗りでがありました。意表をつくようなところへ分け入ったり、どこへ向かっているのか混乱するような方向へ走ったり、循環タイプのコミュニティバスはたのしいです。



MORI SAKETEN.com SINCE 2003

もりさけてんTOP > バスTOP > 遊覧TOP > 当ページ





inserted by FC2 system