もりさけてんTOP > もりさけ観光開発 > 当ページ

富山の富野とみの由悠季よしゆき

 令和2年(2020年)12月、富山県美術館で開かれた展覧会「富野由悠季の世界」へ行ってきました。ガンダムの原作者・富野由悠季監督のいままでの仕事を回顧するという史上初の展覧会です。

 中学生のころの私は、富野由悠季さんのことを「由悠季」と呼んで崇拝していました。文豪を漱石とか、鏡花と呼ぶようなものです。最近の作品はあまり観ていないのですが、いまでも作家として敬愛しています。

最終修正:令和6年4月2日 (2)


MORI SAKETEN.com SINCE 2003


 富野展は第1会場である福岡市美術館を皮切りに、兵庫県立美術館、島根県立石見美術館、青森県立美術館、富山県美術館、静岡県立美術館の6館をツアーしました。残念ながら石川県での開催はありませんでしたが、お隣・富山県での巡業があったのは僥倖といえました。

 富山県美術館での会期は令和2年(2020年)11月28日〜令和3年(2021年)1月24日。当初はもう少し早く、7月〜9月の夏真っ盛りの季節に開かれる予定だったようですが、折からのコロナ禍のために、雪の降る冬にまでズレこんだようでした。


 
 富山駅北口から乗車した地鉄バスは白く化粧した環水公園を眺めながら走り、ほどなくして富山県美術館に着きました。新しい富山県美術館へは、はじめての訪問です。


 
 おっ、富野の“T”でロゴマークも作られたのかな、と一瞬勘違いしてしまったのですが、富山の“T”ですね。よくよく思えば、おなじ「富」です。日本で唯一“富”のつく富山県……。だからこそ、富山で開催されたのですかね?!


 
 会場入口につくられた雪だるまが、ガンダムのマスコットキャラクター「ハロ」でした。


 
 訪れたのは土曜日でしたが、密ということはまったくなく、すいていました。

 数ある展示のなかで、私にとって刺激的だったのは各作品の企画書が展示されていたことで、作品のコンセプトや商業的な狙いについて由悠季の手で作成されている。これを見るため私はここへ来たんだ、とすら思うほど興味深いものでした。

 静かな文書に気迫が感じられたり、逆に稟議を通すためにあえてこう書いて見せている、というような部分もあり、おそらくこれを書きながら由悠季自身が感じたことが、シャアに「わたしはアコギなことをやっている……」という台詞を云わせるきっかけだったのかも知れない、とも感じられました。

 とくに、私の小学生時代にリアルタイムで放映されていた「Xガンダム」については、企画書に「SDガンダムで得た顧客に向けたものを」「RPGの手法も取り入れて」作劇していきたいとまで書かれてあり、驚きました。


 
 必ずしも当初の構想通りに実らなかったり、さまざまな思惑とともにかなり二転三転していくことは珍しくなく、いち作家の作品として作り込まれる途中に「30分のコマーシャル」とか「広告」として見ている目線が差し込まれ、たくさんの会社、たくさんの人々の思惑が複雑に入り組んで、形成されていくのがテレビアニメなのだなぁと、斜に構えたような見方ですけど、こうしたドロドロが逆に凄く面白く思えました。

 でも、こういう風な見方をして喜ぶ人間を由悠季は一番嫌がるんじゃないですかね。

 アニメというのは誰のためにあるんだ? と。

 私のような人間が来るのは本意ではなくて、私のような人間が、まだ純粋な10歳くらいの子息を連れて訪れて、その子息が初めて由悠季に触れて、過去に人々を魅了した作品に触れて、新しいものを作る人になる第一歩を見つけるための場所、それが富野展なのだと強く思いました。

 が、残念なことに私には家族はないのです。


 
 おみやげに富山米「富富富ふふふ」の“富”野展開催記念パッケージ(2合入り780円)を購入しました〜。




MORI SAKETEN.com SINCE 2003

もりさけてんTOP > もりさけ観光開発 > 当ページ





inserted by FC2 system