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和倉温泉 わくらおんせんバスターミナル
 Wakura onsen
 *このページは非公式ファンサイトです

 
 昭和レトロの和倉温泉センター

最終修正:2021.01.31 (33R)


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●温泉街のレトロなバスターミナル

[わくライナー]高岡駅前
   のとじま臨海公園    至
┘└────♀♀───────・
┐┌─────────────香
||             島
||・総湯
┘|
┐|
|└─────────┐
|┏━━━━┓    |
|┃和倉温泉和倉温泉駅前経由七尾駅前
|┃センター┃定期観光バス「あさいち号」「ななお号」「おくのと号」
|┃    ┃    |   至
┘┗━━━━┛ タクシー───・
───────────────お
               ま会
               つ館
               り前

 七尾湾に面し、対岸に能登島を望む温泉地・和倉温泉にあるバスターミナルで、湯の香と潮の香が漂う温泉街の玄関口です。JR和倉温泉駅前、七尾駅前へのローカルバスのほか、能登半島定期観光バスも発着。中能登エリアの観光拠点となっています。

 シンボルとなっている三角屋根の「和倉温泉センター」は、昭和28年(1953年)1月26日に北陸鉄道(株)「和倉自動車分区」として落成。この年に刊行された社内報「ほくてつ」創立10周年号(石川県立図書館所蔵)によると、『時代感覚にマッチした建築様式』という記述が読めますが、これが現代から見ると、なんともいえないレトロな建築として、温泉客の旅気分を盛り上げています。

 かつてターミナルには北陸鉄道(株)和倉支所が置かれ、車両配置もあったようですが、昭和45年(1970年)6月22日に廃止。現在は販売センターおよび待合室としての機能のみとなっています。

 能登島交通(株)の路線バスおよび加越能バス(株)が運行する「わくライナー」の「和倉温泉」停留所はターミナル外の徒歩3分ほどのところにあります。短い時間内での乗り継ぎの場合はお気を付けください。なお、同じ位置に北鉄バスのフリーバス集約停留所も併設されています。


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 「和倉」の発音は中高に「く」のみを高く「わ[く]ら」と発声するイントネーションです。

 七尾、羽咋なども同じ発音ですが、石川県の地名は中高型が大変多いですね。


 
 以前はのりばが2ヶ所に分けられていましたが、現在は1ヶ所のみに統一されています。七尾駅前ゆきローカルバスと、定期観光。定期観光バスの発着数は、県内でもかなり多いほうです。

 遅くとも平成30年(2018年)3月までには、のりばに透明な風除板が取り付けられ、道路側にあった物置も壁を取り除いてバス待ちスペースの一部となりました。これは和倉温泉センターの営業時間短縮により、待合室が午後から閉鎖されることになったことに配慮したものと思われます。

 なお、当初、この建物は上の写真に見える三角屋根の切妻部分が、写真右手の方向へとそのまま伸びており、その下がガレージ状ののりばとなっていたようです。

 ガレージ部分がなくなったのがいつかは不明ですが、平成2年(1990年)1月の中能登特急線開業を報じる社内報「ほくてつ」(石川県立図書館所蔵)の記事の写真ではまだガレージは健在、しかし平成5年(1993年)7月1日の和倉温泉センター発足の記事では現在と同じような外観で、ガレージはなくなっています。この3年間のいずれかの時期に工事は行われていたようです。

┘|  <かつて>      ┘|  <現 在>
┐|             ┐|
|└─────────┐   |└─────────┐
|┏━━━━┓    | → |┏━━━━┓    |
|┃和倉温泉┃    | → |┃和倉温泉┃    |
|┃センター┗━━━┓| → |┃センター┃    |
|┃    :屋 根┃|   |┃    ┃    |
┘┗━━━━━━━━┛└   ┘┗━━━━┛    └
────────────   ────────────

 以前はガレージがあったと思われる部分のみ地面がアスファルトではなくコンクリート舗装と異なっており、その頃の名残りを見ることができましたが、平成27年(2015年)10月に訪れると再舗装が行われて全面的にアスファルトに変わり、痕跡はなくなりました。


 
 (過去)のりばの再舗装が行われる以前の様子です。


 
 構内再舗装によりホームの段差がなくなり、のりばと構内が一体化しフラットに。バリアフリー化も促進されました。


 
 のりばには「和倉温泉」と表記したポールが立っています。この丸板は平成28年(2016年)5月〜6月の間に更新されたもののようですが、更新される以前の丸板はなぜか社名が「北鉄奥能登バス」となっていました。どうやら同社が担当していた時代の「輪島和倉線」が乗り入れていた頃に立てられたものが、そのまま残っていたのではないかと思われます。


 
 そして建物の外壁に取り付けられた「バスのりば」と書かれた丸板。こういうシンプルな表記は珍しい気が。


 
 このレトロなフォント。いつまでも残してほしいターミナル遺産です。

 この建物は昭和28年(1953年)1月26日に北陸鉄道(株)「和倉自動車分区」として落成したもののようです。石川県立図書館に所蔵されている北陸鉄道社内報「ほくてつ」昭和28年(1953年)1月号には、「和倉にとつて真に待望久しい具備すべき要件の最大の事業であつた!」と極めてテンションも高く完成を祝う文が見られます。なお、同じ号には「事務室は将来の国鉄連帯業務を予想して6坪の余裕を取つてある」という記述が見られました。

 和倉分区はのちに行われた組織改正により「七尾営業所和倉支所」と改称されますが、小規模ながら車両配置もある基地として機能していたようです。しかし昭和45年(1970年)6月22日に廃止。車庫機能は七尾営業所本所へ統合され、以後は窓口や待合室などターミナルとしての機能のみが残ることとなりました。


 
 裏手にあたる北側(総湯側)から見た和倉温泉センター。裏手から見ると、この歴史ある建物にはいろいろと奥の深い謎が浮かび上がります。


 
 裏から見ると、向かって左手に黒い木製枠の窓のある部屋が存在することが分かりますが、現在は使われていないらしく、センター内からは単なる壁になっています。ホーム側には閉ざされたドアがあり、ここからこの部屋に出入りすることができるようです。外にプロパンガスの収納跡があることから、車両配置が存在していた頃の乗務員休憩室があったのではないかと思われます。

 中央部の銀サッシのドアは、現在は閉鎖されていますが、この上部になぜか「能登半島定期観光バスのりば」との表示があります。この表示は室内側にもあることから、かつてはこちらの路上で定期観光の乗車扱いをしていたのではないかと考えられます。

 右手にある閉ざされたシャッターも謎です。かつてはこちら側に窓口があったのでしょうか? まだまだ謎の多い和倉温泉センターの建物です。


 
 同じく、北側から。定期観光バスはこの位置に停車します。かつて運行されていた特急バスも同様でした。後ろに停まっている自動車はレンタカーです。以前はニッポンレンタカー和倉営業所としての機能もあわせ持っており、駐車場とバスターミナルが同居していたわけです。

 和倉温泉でのレンタカー業務は昭和46年(1971年)4月1日のニッポンレンタカー業務受託当初からのもので、このとき「レンタカー和倉営業所」として2台が配置されたそうです。

 平成30年(2018年)3月31日限りでレンタカー和倉営業所としての営業は終了となり、翌日からは和倉温泉センター自体の窓口営業時間も12:00までに短縮されました。


 
 平成28年(2016年)4月1日より名鉄グループのタクシー会社である石川交通(株)のタクシー待機場がバスターミナル内に2台分設けられました。ターミナル向かいにあった営業所の廃止によるもののようです。


 
 朝には定期観光バスへ乗車する宿泊客を乗せて、各旅館からの送迎バスが次々とバスターミナルへと到着します。


 
 定期観光バスが相次いで出発する、朝の和倉温泉バスターミナルです。


 
 構内には「バス反転場につき駐車はご遠慮下さい」とした看板が立っています。能登バスエリアでは“転回所”のことを「反転場」という言い方が多いですね。

 2色に塗り分けられ異様にカラフルなデザインですが、これはもともと金沢競馬および三国競艇の無料バスのりばの案内板だったものを転用したためです。


 
 「和倉温泉センター」の窓口風景。回数券のほか、近距離の金券式片道乗車券も発券してくれます。なお、平成30年(2018年)4月1日より、レンタカーの受付が廃止されたためでしょうか、営業は午前中のみとなりました。営業終了後は待合室・トイレが閉鎖されますのでお気を付けください。


 
 (過去)以前はこのように売店を兼ねており、お菓子、傘、フイルム、アイスクリームなどの販売が行われていましたが、平成27年(2015年)10月に訪れると売店機能はなくなっていました。

 「和倉温泉センター」は平成5年(1993年)7月1日に(株)北鉄観光から北陸鉄道(株)直営として移管され、レンタカー併設の販売拠点となったのち、平成11年(1999年)4月1日に当時の七尾バス(株)へ移管。さらに能登地区のグループ会社合併により平成20年(2008年)4月1日より北鉄能登バス(株)和倉温泉センターとなり、現在に至ります。


 
 待合室内には電照式の掲示板があり、時刻表と運行系統図、それに和倉温泉から出発する定期観光バスのコース案内などが掲示されています。


 
 時刻表と運行系統図。系統図は主要な停留所へのおおよその所要時間も記載されており、小さなことですが親切な気配りを感じます。


 
 「定期観光バスご利用の皆様へ」とした案内板。コーポレートカラーのオレンジで仕上げられています。


 
 (過去)かつてはこのような古めかしい案内板が頑張っていました。


 
 (過去)バスターミナルの向かいに車庫を構える石交タクシーの営業所もまた和倉温泉センターに負けず劣らず風格のあるたたずまいでしたが、平成28年(2016年)3月31日をもって閉鎖。タクシー待機場所はバスターミナルの一角へと移転し、建物も解体されました。

 跡地には平成30年(2018年)4月7日に「能登ミルクファクトリー」というジェラート店がオープンしています。


 
 能登島交通(株)の路線バスや加越能バス(株)が運行する「わくライナー」の「和倉温泉」停留所はバスターミナルではなく、ターミナルから北の方向へ徒歩2分ほどの「青海荘」前にあります。同じ位置に北鉄バスのフリーバス集約停留所も併設されています。

 また、道路向かい側には大阪から来るJR高速バスの降車専用停留所「総湯」があります。


 
 ターミナルから少し離れたところにある加越能バスの「和倉温泉」に到着した「わくライナー」。


 
 バスターミナルのすぐ横に和倉温泉総湯「和倉温泉観光交流センター総湯館」があります。大人460円で源泉掛け流しの湯が楽しめ、サウナ、露天風呂もあります。シャンプー、ボディソープ完備ですから、タオルさえ用意してあれば、バス乗り歩きの途中にぶらりと立ち寄るのにも最適です。毎月25日(土日の場合は翌月曜日)は休業日です。

 現在の総湯は明治32年(1899年)に建てられた初代の建物以来7代目で、平成23年(2011年)4月29日に新装オープンとなりました。

 管理は和倉温泉合資会社で、熱交換器により90度もある源泉を加水せずに使用しているそうです。浴槽のお湯も毎日交換しているということで、新鮮な湯がいつでも楽しめます。


 
 (過去)先代の総湯はこのような建物でした。大広間や食事処、仮眠室なども完備され、どちらかといえば健康ランド的な雰囲気のある施設でした。大浴場は竜宮城を模したデザインが印象的でしたが、露天風呂はあまり広くなかった記憶があります。


 
 和倉温泉のゆるキャラ「わくたまくん」です。

 この和倉温泉が発見されたのは大同年間(806〜809年)頃で、いまから1200年もの昔のこと。傷付いた白鷺が海中に湧く湯で傷を癒しているのを漁師が見付け、温泉の湧出することが知られるようになったといいます。

 古くはその言い伝えの通り海の底から湧いていたため「涌浦」(わくうら)と呼ばれ、泉源の付近を石垣で囲って舟で入浴に通っていたそうですが、寛永18年(1641年)に前田利常公によって湯島が作られ、明治13年(1880年)に湯島までの海を埋め立てて、現在の華やかな和倉温泉街となったそうです。

 源泉は94℃もあるそうで、無色透明ながら海底から湧く湯だけに強い塩味と苦味があります。総湯では湯口がそのまま飲み湯となっています。ぜひ飲んでみてください。


 
 和倉温泉でひときわ目立つホテルが老舗の「加賀屋」でしょう。


 
 温泉の守り神は弁天崎源泉公園の一角にたたずむ弁天堂です。


 
 和倉の海。対岸には能登島が望まれ、七尾湾はまるで湖のようにいつも穏やかです。


参考文献
 「ほくてつ」創立10周年記念号
 北陸鉄道社内報「ほくてつ」各号
 「能登・金沢と北陸」(実業之日本社)新保千代子・著

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