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 高岡ー氷見ー和倉温泉線
わくライナー| 加越能バス
 Waku-Liner
 *このページは非公式ファンサイトです

和倉温泉
お祭り会館前/和倉温泉七尾駅前〜(能越道)〜ひみ番屋街〜新高岡駅〜高岡駅前

最終修正:2021.04.01 (55)

 
 ひみ番屋街に到着した「わくライナー」


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●高岡から能登半島への直行バス

 ・ 愛称名
 ・ 系 統
 ・ 歴 史
 ・ 乗車のヒント
 ・ 参考文献
 ・ 停留所一覧

 富山県の高岡駅前、新高岡駅から能越自動車道経由で石川県の七尾駅前、和倉温泉を結ぶ特急バスです。

 北陸新幹線金沢開業に伴う二次交通として運行が開始されたもので、当初は実証実験としてスタートしたのち、平成28年(2016年)1月1日より本格運行へ移行されました。単に高速道路だけを使って2地点を結ぶ形とはせず、氷見市内では海沿いの景色の良い下道を経由するなど、観光路線としての魅力も追及されています。

 運行区間はかつて存在した一般道経由の急行バス「和高急行線」をほうふつとさせ、その再来のようにも思えます。

 窓いっぱいに広がる氷見の海。七尾城山IC付近から見える七尾の街と港の遠望。思わず「わくわく」する瞬間があなたを待っています。

 加越能バス(株)高岡営業所の単独運行となっています。


[▼]愛称名

 和倉温泉へ走ることから「わくら」と「ライナー」を組み合わせた愛称となっています。それとともに、旅への“わくわく”する気持ちも込められたのではないでしょうか。


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[▼]系 統

         ┌┐
        ┌┘↓
    和倉温泉↑ ◎和倉温泉
  お祭り会館前◎ ↓
        | |
(和倉温泉駅前)↑/
 ・──────・
 |     (和倉温泉口南)
 |
 |
 |   (川原町)
 └┬→┬─・
  ○←┘ | (七尾城山IC口)
七尾駅前  |  ・──▲七尾城山IC
      |  |  ┃
(藤野町北)・──・  ┃能
        (城山)┃越
            ┃道
        灘浦IC▲─・(脇方)
              |
              ○岩井戸温泉
              |
              └┐
               ○ひみ阿尾の浦温泉
               |
          (間島北)・┐
                |
                |
        氷見IC▲───┤
            ┃能  ○ひみ番屋街
            ┃
            ┃
            ┃越
            ┃
            ┃  高岡駅前◎
            ┃道     └───・(読売会館前)
        高岡IC▲  (駅南三丁目) |        
            |        ・─・(舘川町)
            |   新高岡駅 |
  (高岡インター入口)・     ○  |
             \    |  |
              \   ・──・(下黒田東)
               \   \
                \   \
                 \   ・(スポーツコア北)
                  \ /
                   ・(二塚西)

 能越自動車道を使用しますが、途中、氷見市内へ立ち寄るため、氷見IC〜灘浦IC間はいったん一般道へ下ります。

 立山シーサイドラインとも呼ばれる海沿いの国道160号線は景色も良く、旅が盛り上がることでしょう。波静かな富山湾を隔てて遥かに新湊大橋を眺めることもでき、また冬場の晴れた日であれば立山連峰が望める場合もあります。

 七尾城山IC付近から見下ろすことのできる七尾市や能登島の遠望は鳥肌の立つほど美しく光景です。いままで城山へ登らなければ出会えなかったような風景が、こうしてバスの窓から手軽に楽しめるようになったわけです。

 和倉温泉では往路・復路ともに和倉温泉お祭り会館前→和倉温泉(青海荘前)の順での2ヶ所停車となっており、終点は和倉温泉、起点は和倉温泉お祭り会館前となります。JR和倉温泉駅および北鉄バスの和倉温泉バスターミナルには停車しませんので、お間違えの無いようご注意下さい。

 また七尾市内のみ、高岡市内のみの利用はできませんので、お間違いのないようお願いします。高岡市内〜氷見市内間の利用は可能です。

 
 ▲七尾駅前に到着

 比較的短距離の運行のため、途中の休憩はありません。車内にトイレもありませんので、先に済ませておきましょう。


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[▼]歴 史

 ・ (廃止路線)加越能バス和倉温泉線について
 ・ (廃止路線)和高急行線について
 ・ わくライナーの歴史

   + + + + +

 ・ (廃止路線)加越能バス和倉温泉線について

 高岡駅前〜和倉温泉間の路線バスの元祖は、加越能鉄道(株)の単独運行により運行されていた高岡駅前〜氷見〜熊無峠〜七尾〜和倉温泉間の路線ということになるようです。

 熊無峠経由とは実に渋い経路ですが、殿のトンネルができる以前は柑子山の羊腸たる道が七尾=灘浦間の唯一の峠越え経路だったそうですので、こちらのほうが所要時間的に割が良かったのでしょうね。

 「富山地方鉄道五十年史」によると、この路線は昭和30年(1955年)12月に氷見〜羽咋駅前の路線(羽氷北線)の途中から分岐して和倉へ向かう路線として計画が持ち上がったものの、北鉄側はこれに反対。協議の結果、週末の2往復に限定し、途中無停車とすることを条件に解決したとありました。

 昭和30年(1955年)12月21日付け北日本新聞朝刊によると、
『加越能鉄道の暖房付ロマンスカーは十八日正午観光、報道関係者らやく三十人をのせてかんこのうちに和倉温泉に到着した。同温泉の浴客のやく六割までが富山県人でしめられているのでその要望が実を結んだわけ。使用バスは“和倉号”と“能登出湯号”の二車で土、日の週末一泊と日曜日帰りの二本建となつている』
 とありました。

 それにしてもこの時代、和倉温泉を訪れる温泉客の60%が富山県の方だったとは初耳でした。まだ関西の奥座敷として開かれていく前で、あくまで近在の方が利用する行楽地だったということなのでしょうか。

 昭和37年(1962年)6月11日付けの富山新聞には加越能バス全路線の同年6月10日改正の新ダイヤが掲載されており、そのなかに「定期観光 高岡〜和倉温泉間」(週末急行バス)として時刻が掲載されていました。

 これによると、高岡駅発は土曜日及び祭日の前日に14:00発1本、同日曜日及び祭日に8:10発1本の計2本。和倉温泉発は日曜日及び祭日の14:00と16:00の2本が記載されており、土曜日にチェックインして日曜日に観光を楽しんだあと帰る利用と、日曜日の日帰り利用のどちらにも対応したダイヤであったようです。

 停車停留所は、高岡駅前、木舟町、上伊勢(現:氷見駅口か)、氷見中央(現:氷見本町か)、谷屋、七尾駅前、和倉温泉とありました。

 木舟町を経由しているのが意外ですが、横田本町を経て国道8号線を経由し、四屋交差点から氷見へと向かっていたのでしょうか。しかし昭和35年(1960年)4月当時の路線図ではまだこの経路がなく、木舟町を経由して守山のほうへ向かうとなると、小馬出、平米町を経て大坪町に出るコースしか描画されていません。一方で、広小路と大坪町を結ぶ線も描かれていないことから、この当時、守山・氷見方面へのバスはすべて木舟町、平米町を経由していたという可能性もあります。

 昭和38年(1963年)8月発行の加越能バス時刻表では高岡駅発は休日の前日に13:00発1本、同日曜日及び祭日に10:30発1本の計2本。和倉温泉発は休日の前日に16:00発、日曜日及び祭日に14:00発の計2本が記載されており、和倉温泉での宿泊客に特化したダイヤになっています。

 停車停留所は高岡駅前、末広町、片原町、市庁前(現:急患医療センター前)、広小路、縄手中町、新守山、窪、上伊勢、氷見中央、谷屋、七尾駅前、和倉温泉となっており、木舟町経由から広小路経由に変更され、高岡市内の停車停留所が大幅に増えていることが分かります。

 この頃の高岡駅前〜和倉温泉間の運賃は250円となっていたようです。

 昭和42年(1967年)6月1日発行の加越能バス時刻表では、毎週土曜日に高岡駅前14:00発の1本、毎週日曜日に和倉温泉11:00発の1本の1往復で、路線名は「和倉線」。停車停留所は高岡駅前、末広町、片原町、市庁前、広小路、縄手中町、新守山、窪、上伊勢、氷見中央、氷見局前(現:比美町か)、谷屋、七尾駅前、和倉温泉となっており、氷見市内の「氷見局前」が新たな停車停留所として加わっています。

 これが昭和45年(1970年)5月20日発行の時刻表になると、高岡駅前8:30発、和倉温泉14:00発の毎日運行となっており、路線名は「和倉温泉線」。停車停留所は高岡駅前、末広町、片原町、市庁前、広小路、縄手中町、新守山、窪、氷見駅口、氷見本町、氷見市役所前(現:比美町)、氷見中央町(現:氷見中央)、谷屋、七尾駅前、和倉温泉となっており、氷見市内の停留所が一部改称されているほか、停車停留所の変更が行われています。

 これが最終形態となり、翌昭和46年(1971年)7月1日からは北陸鉄道(株)との共同運行による「和高急行線」の開業となるわけです。

 なお、この路線は北鉄との競合を避けるため高速バスのようなクローズドドアシステムを採用し、石川県内においては和倉温泉ゆきは降車のみ、高岡駅前ゆきは乗車のみという扱いとしていたそうです。
 (情報ご提供:たちぴさん)

 
 ▲氷見の海,唐島


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  + + + + +

 ・ (廃止路線)和高急行線について

 和高急行線は北陸鉄道(株)と加越能鉄道(株)の共同運行で、国道160号線“立山シーサイドライン”を経由し、高岡・氷見と能登半島を直結する観光路線という位置付けだったようです。

 一般道経由の急行バスで、和倉温泉と高岡駅前を結ぶことから、和倉の"和"と高岡の"高"から一字ずつ取り、その名がありました。

 昭和46年(1971年)7月1日付けの北國新聞夕刊によると、和高急行バスはこの日より運行が開始されているようです。本数は北鉄・加越能がそれぞれ2往復ずつ担当し、計4往復で運行となっていました。

 なお、「北陸鉄道の歩み」では開業日が昭和46年(1971年)3月1日と記載されており、後年の和高急行線運行復活時の「ほくてつ」(石川県立図書館所蔵)の記事でも同様の記載が見受けられますが、同年3月27日付けの北國新聞で路線の計画が初めて報じられているわけですから、これは誤記かと思われます。

 翌7月2日付け北日本新聞朝刊によれば、急行バスには60人乗りロマンスカーが充当されており、停車停留所は和倉温泉、七尾駅前、上佐々波、中田、氷見駅前、高岡駅前の6ヶ所で、『雪で運行ができなくなる来年一月五日まで一日四往復をする』とありました。この冬季運休の形が翌シーズン以降も踏襲されたものと思われます。

 和倉温泉〜高岡駅前間の運賃は片道450円でのスタートとなりました。この450円には座席料として50円が含まれていました。和高急行線では晩年に至るまで運賃のほかに「座席料50円」が必要だったようです。全区間一般道経由とはいえ、クローズドア制は採用されていなかったこともあり、短区間での利用を促すことのないよう座席料を設けていたのかも知れません。

 
 ▲氷見の古刹・光禅寺は藤子不二雄(A)先生の生家

 昭和47年(1972年)9月28日には北鉄担当便のワンマン化が行われています。おそらく、加越能担当便についても同時期にワンマン化が行われているものと考えられます。

 「国鉄監修交通公社の時刻表」昭和47年(1972年)12月号には、和高急行線にあたる高岡駅前〜和倉温泉間の運行本数はやはり4往復で変わりませんが、運賃は600円として記載されていました。この頃の物価の高騰はすさまじく、1年単位で運賃が1.5倍、2倍と上がっていくような時代です。

 昭和48年(1973年)8月10日には七尾市内の「花園口」(上佐々波〜中田間)と氷見市内の「一石山」(中田〜氷見間)にも停車が開始されているようです。
 (情報ご提供:ぽんさん)

 「国鉄監修交通公社の時刻表」昭和50年(1975年)2月号によると、当時の和高急行はやはり4往復の運行で、和倉温泉〜高岡駅前間の運賃は800円。また「全便[急行]」との記載があり、「急行料金50円」とも明記されていました。“急行料金”というのは時刻表特有の言い方で、実際には『座席料金』だったものと思われます。

 昭和52年(1977年)7月発行の「-能登半島の観光地を結ぶ-定期観光定期路線バスごあんない」というパンフレットには『特急和、高線』として掲載されており、次の本数が確認できます。
 ◆和倉温泉〜高岡 4往復(北鉄2往復・加越能2往復)
 *加越能バスは1月6日〜2月末まで運休

 停車停留所は和倉温泉、七尾、上佐々波、花園、中田、一石山、氷見、高岡と記載されていました。

 運賃については、同じ年に刊行された「ブルーガイドパック能登・金沢」(実業之日本社・刊)を参照するに、和倉温泉〜高岡駅前が1,000円、七尾駅前〜高岡駅前が900円となっていたようです。ただし、これは座席料が含まれているものなのかどうかは不明です。

 昭和55年(1980年)6月発行の北鉄時刻表によると、この当時も北鉄2往復、加越能2往復の計4往復体制で、停車停留所は和倉温泉、七尾駅、上佐々波、花園口、中田、一石山、氷見駅、高岡駅と記載されています。全便が冬季運休となっており、3月1日〜翌年1月5日までの運行。ただし加越能バス担当便については3月の第1日曜から12月の第4日曜の間の日祝日のみ運行とありますので、平日は北鉄担当の2往復のみが運行されていたことになります。

 同時期の「国鉄監修交通公社の時刻表」昭和55年(1980年)10月号によれば、この当時の和倉温泉〜高岡駅前間の運賃は1,200円だったようです。座席料を含んでいるかどうかの記載はまったくありませんでしたが、この時刻表は運賃欄も含めて加越能担当の氷見側のローカル便と共通になっており、座席料込みだとすると普通便と運賃が食い違うはずですから、やはり座席料はこれに別途(おそらく+50円)加算されていたのではないかと推測されます。

 なお、停留所区分を見るに、この時点で氷見における停車停留所が「氷見駅口」となっていました。第1期運行期間にあたる平成2年(1990年)までにおいては、北鉄の路線図では「氷見駅前」と記載され続けていたのですが、実際には(第2期にあたる運行期間と同じように)「氷見駅口」での乗降扱いだったのでしょうか??

 なお、和高急行線はクローズドドア制は取り入れられておらず、いずれの事業者の便とも各停車停留所で自由に乗り降りができた模様です。

▼たちぴさんからのコメントです
 和高急行には昭和55〜56年頃に乗ったことがあるのですが、途中から人が乗ってきたり、降りたりしていたのを覚えています。

 (情報ご提供:たちぴさん)

 昭和59年(1984年)12月3日には七尾市内の国道160号線で郷橋トンネルが開通しており、和高急行線はこの新トンネルを利用するようになったものと思われます(ローカル便は殿、沢野に停車するために旧道を走行)。

 平成元年(1989年)7月発行の北鉄時刻表によると、この当時も北鉄2往復、加越能2往復の計4往復体制で、停車停留所は和倉温泉、七尾駅、上佐々波、花園口、中田、一石山、氷見駅前、高岡駅。全便が冬季運休で、3月1日〜翌年1月5日まで日祝日のみ運行。ただし加越能バス担当便については3月の第1日曜から12月の第4日曜の間の日祝日のみ運行とありました。

 この頃の運賃は和倉温泉〜高岡駅前間が1,650円、七尾駅前〜高岡駅前間が1,500円、しかもこれに加えて座席料が50円必要となっていたようですから、現在の「わくライナー」よりもはるかに割高な運賃設定となっていたようです。現在では和倉温泉〜ひみ番屋街ならわずか800円で済みますが、この時代は和倉温泉〜氷見駅口間1,350円(+座席料)となっており、どえらくヘビーです。実はこれが本来の適正運賃ということなのでしょう……。

 
 ▲氷見,光禅寺

 その後、平成2年(1990年)5月7日をもって一旦休止となっています。

 しかし、このときの休止期間は2年間のみとなり、平成4年(1992年)5月17日より北鉄・加越能の共同運行で2年ぶりの復活を遂げています。これは平成3年(1991年)12月29日に高岡特急線が開業し、同路線の北鉄担当便のうち1往復が能登営業所(七尾)の担当であったことから、その間合い運用も兼ねてのものだったそうです。

 運行本数は北鉄・加越能の各1往復(計2往復)で、3月の第1日曜日〜1月5日の間の日祝日のみ運行。和倉温泉〜高岡駅前間の運賃は大人1,700円で、このほか座席料50円が必要となっていました。

 この“第2期”の運行より「一石山」停留所は「岩井戸温泉」に名称が変わり、また氷見では氷見駅前ではなく氷見駅口停車に変更されています。

 クローズドドア制は引き続き取り入れられず、加越能担当便で和倉温泉〜七尾駅前間に乗ったり、北鉄担当便で高岡駅前〜氷見駅口に乗ったりできたようです。

 「高岡特急線」のほうは不振に終わり、平成7年(1995年)3月31日を最後に廃止となりましたが、和高急行線についてはその後もしばらくの間、運行が続けられました。

 平成9年(1997年)6月発行の北鉄時刻表によれば、次のように運行されていたようです。
 ◆和倉温泉〜高岡駅前 2往復(北鉄1往復・加越能1往復)
 *3月第1日曜日〜11月の最終日曜日の間の日祝のみ運行

 停車停留所は和倉温泉、七尾駅前、上佐々波、花園口、中田、岩井戸温泉、氷見駅口、高岡駅前の順で記載されています。

 北鉄担当便は能登営業所(旧七尾営業所)が担当し、高岡特急線の廃止後は路線タイプも活躍していたようですが、残念ながら筆者はその姿を見ることすらできずに終わりました。

▼CHさんからのコメントです
 金沢高岡線休止後には35−929や36−413、78−064(?などの三菱中型)などを見た記憶があります。
 (情報ご提供:CHさん)

 平成10年(1998年)11月29日の運行を最後に再び廃止となり、七尾市と高岡市を結ぶ県境越えバスはいったん姿を消すこととなります。

 
 ▲和高急行線の停車停留所だった氷見駅口バス停


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  + + + + + +

 ・ わくライナーの歴史

 そして平成の世、和倉温泉と高岡を結ぶバスは三たび復活しました。

 北陸新幹線金沢開業に伴う二次交通の実証実験として、まずは平成27年(2015年)1月10日から12月31日までの予定で、加越能バス(株)の単独運行により1日4往復で運行開始。3月8日までは土日祝のみ運行、北陸新幹線が開業する3月14日以降は新高岡駅に乗り入れ、あわせて同日より12月31日の実験終了までは毎日運行ということになりました。

 運行にあたっては氷見市、七尾市の両市から補助を得ていたようで、白川郷と高岡、能登を含めた「飛越能」の広域観光の拡大を目指したということです。

 初日はひみ番屋街で歓迎セレモニーが開かれ、当時の本川氷見市長が、
『ルートを力を合わせて盛り上げていきたい』
 とあいさつ。高岡駅前と和倉温泉から来た2台のバスが到着したのに合わせ、氷見市の中学生でつくるマーチングバンド「ムジカグラート氷見」がファンファーレを演奏し、開業が祝われたということです。

 
 ▲和倉温泉にて

 車両は貸切仕様の転入車・ふそうエアロクィーン18、19号車が用意され、両替機のない簡易運賃箱を取り付けてワンマン運行を行っています。この2両は降車ボタンや自動放送の設備もなく、貸切車そのものという様相でした。なお、このうち18号車は平成26年(2014年)12月頃から翌年1月上旬にかけ、高速バス金沢・高岡線でガイドさんを車掌として乗務させた上で代走に就き、これが前哨戦となっていました。

         ┌┐
        ┌┘↓
    和倉温泉↑ ◎和倉温泉
   観光会館前◎ ↓
        | |
(和倉温泉駅前)↑/
 ・──────・
 |     (和倉温泉口南)
 |
 |
 |   (川原町)
 └┬→┬─・
  ○←┘ | (七尾城山IC口)
七尾駅前  |  ・──▲七尾城山IC
      |  |  ┃
(藤野町北)・──・  ┃
        (城山)┃
            ┃
      七尾大泊IC▲──・
               |
               |
        灘浦IC▲──・
            ┃
       氷見北IC▲──・(稲積)
               |
               |(北部中学校口)
        氷見IC▲──・┐
            ┃能  ○ひみ番屋街
            ┃
            ┃越
            ┃
            ┃道
        高岡IC▲
            |  (羽広町)
  (高岡インター入口)・──・
               └───◎高岡駅前

 運賃は和倉温泉〜高岡駅前間が大人1,300円、七尾駅前〜高岡駅前間は大人1,200円、和倉、七尾〜ひみ番屋街間は大人800円、また高岡駅前〜ひみ番屋街間のみで利用することもでき、この場合は大人500円と定められました。

 能越自動車道を利用するコース取りとなっていますが、開業時点では灘浦IC〜七尾大泊IC間が未開通だったため、この区間ではいったん一般道へ下りていました。途中、ひみ番屋街へ立ち寄るために一度高速道路を下りますので、当初は2度に渡って途中で一般道へ下りていたわけです。

 灘浦IC〜七尾大泊IC間の一般道走行区間は海沿いの快適ドライブで、かつての和高急行線が停車していた「中田」、珍名停留所「女子口」や、加越能バス(株)と北鉄能登バス(株)の乗り換え停留所「脇」を見ることもできたものです。

 しかしこれは束の間のもので、平成27年(2015年)2月28日18時00分に灘浦IC〜七尾大泊IC間が開通したことにより、この区間も能越道を直行することができるようになりました。

 平成27年(2015年)3月14日からは北陸新幹線金沢開業にあわせ、「新高岡駅」へ乗り入れを開始。あわせて毎日運行となり、新幹線からの乗り換え利用にも対応されました。

 
 ▲和倉温泉バスターミナルには停車しません

         ┌┐
        ┌┘↓
    和倉温泉↑ ◎和倉温泉
   観光会館前◎ ↓
        | |
(和倉温泉駅前)↑/
 ・──────・
 |     (和倉温泉口南)
 |
 |
 |   (川原町)
 └┬→┬─・
  ○←┘ | (七尾城山IC口)
七尾駅前  |  ・──▲七尾城山IC
      |  |  ┃
(藤野町北)・──・  ┃能
        (城山)┃越
            ┃道
            ┃
            ┃
            ┃
            ┃
       氷見北IC▲──・(稲積)
               |
               |(北部中学校口)
        氷見IC▲──・┐
            ┃能  ○ひみ番屋街
            ┃
            ┃
            ┃越
            ┃
            ┃  高岡駅前◎
            ┃道     └───・(読売会館前)
        高岡IC▲  (駅南三丁目) |        
            |        ・─・(舘川町)
            |   新高岡駅 |
  (高岡インター入口)・     ○  |
             \    |  |
              \   ・──・(下黒田東)
               \   \
                \   \
                 \   ・(スポーツコア北)
                  \ /
                   ・(二塚西)

 平成28年(2016年)1月1日より、本格運行として引き続き運行が継続されています。

 
 ▲スペースアローAが代走したケースも……

 平成28年(2016年)4月1日からは氷見市内の民宿などがあるエリアに「ひみ阿尾の浦温泉」「岩井戸温泉」の2停留所が新設され、富山湾の景色を眺めることのできる国道160号線ルートを再び経由するようになりました。

至・和倉温泉
     ┃
 灘浦IC▲─┐
     : |
     : ○岩井戸温泉
     : |
     : └┐
     :  ○ひみ阿尾の浦温泉
     :  |
     :  └─┐
氷見北IC▲・・・ |
        : |
 氷見IC▲──・─┤
     ┃    ○ひみ番屋街
 至・高岡駅前

 同日より、2日間利用できる「わくライナーフリーきっぷ」も発売開始となったほか、七尾市、氷見市から「わくライナー」を利用して新高岡駅で三井アウトレットパーク北陸小矢部への「アウトレットライナー」に乗り継ぐ場合の割引チケット配布も開始されました(現在このアウトレットライナーは廃止)。

 
 ▲94年式ながら全塗装の上で転用! 355号車

 またこの頃より従来の18、19号車に代わって新たに貸切車から354(ふそうエアロバス)、355(日野セレガ)の2両がコンバートされ、活躍を開始しました。いずれも平成6年(1994年)式と古めではあるものの、従来の車両とは異なって運賃箱は自動両替機のある本格的なものを装備し、車内放送や降車ボタンなどワンマン運行に必要な設備も設置されています。

 平成29年(2017年)4月1日からは専用車に「FREE Wi-Fi」が搭載され、乗車しながらスマートフォンやタブレット端末でのインターネットが気軽に楽しめるようになりました。

 平成29年(2017年)10月頃には、専用車1両(354号車)の外装が一部更新され、元のカラーリングを活かしつつ路線のPRロゴが追加されたほか、側窓にも楽しげな装飾が施されました。

 
 ▲古めのエアロも楽しげなラッピングで変身

 これは高岡市、氷見市、七尾市の3市と富山県でつくる「高岡和倉間高速バス路線維持対策協議会」によって実施されたもので、製作費は約68万円だそうです。

 ただ、354号車は製造から23年も経過している経年車でしたので、さすがに寄る年波にはあらがえず、ラッピング施工後の活躍は短命に終わっています。

 その後、令和元年(2019年)には元貸切車のエアロバス・106号車が次の専用車として登用され、同車にも354号車と同様なラッピングが施されました。

 
 ▲新たな専用車もラッピング施工

 令和2年(2020年)4月1日改正で土日祝と月曜日およびGW(4月25日〜5月11日)、お盆(8月8日〜8月17日)、年末年始(12月25日〜1月4日)の多客期のみの運行となり、本数も2往復のみに縮小されました。

 また和倉温泉観光会館前停留所が「和倉温泉お祭り会館」と改称されています。

 令和2年(2020年)8月7日より「新高岡駅からお得に往復キャンペーン」が開始され、高岡〜和倉温泉間の往復乗車券が特別料金の1,000円で購入できるようになりました。

 世界的な新型コロナウィルス感染拡大の影響で観光路線が著しく冷え込んでしまったため、近隣からのプチ旅行という需要も喚起する意味で大盤振る舞いが行われたのでしょう。

 キャンペーンは当初、10月31日までが予定されていましたが、同年10月1日よりさらにパワーアップし「お得に乗ろう!観光路線バス・高山線運賃割引キャンペーン」として期間を12月31日までに延長、さらにサービス範囲も拡大され、わくライナーにおいては片道のみの乗車にも対応。高岡〜七尾駅前、和倉温泉へは片道500円でOK、高岡〜ひみ番屋街間も片道300円で乗車できるようになりました。

 キャンペーンはこの路線だけでなく、「世界遺産バス」や高速バス高岡〜白川郷〜高山線も対象となっており、まさに体当たりの大バーゲンといえましょう。

 この頃から、車両は専用ラッピングのエアロバスに代わり貸切車から転用された101号車に変わってきています。

 
 ▲活躍を見せ始める101号車

 その後、「お得に乗ろう!観光路線バス・高山線運賃割引キャンペーン」は令和3年(2021年)3月31日まで延長となりました(ただし予定数量に達した場合は期間前でも終了となるそうです)。

 令和3年(2021年)3月20日〜10月31日まで「特急バスわくライナー利用促進キャンペーン」が実施されています。ひみ番屋街で利用できるクーポン引換券が乗車時に貰えるというもので、引換券は車内に設置されており、ひみ番屋街の総合案内所で引き換えることで500円分のクーポンとして利用できます。なお、引換券の予定枚数に達するとキャンペーン期間中でも終了するそうです。

 令和3年(2021年)4月1日〜9月30日まで、前年度に続いて「令和3年 観光路線バス・高山線運賃割引キャンペーン」が実施されています。高岡〜七尾駅前、和倉温泉は片道1,000円、往復1,500円(往復のみ乗車券の購入が必要)。高岡〜ひみ番屋街間は400円で乗車できるようになっています。


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[▼]乗車のヒント

 予約は必要ない定員制のバスとなっています。また七尾市内のみ、高岡市内のみの乗車はできませんが、高岡駅前・新高岡駅〜ひみ番屋街・ひみ阿尾の浦温泉・岩井戸温泉間での利用は可能となっています。

 現在は土日祝と月曜日およびGW(4月24日〜5月10日)、お盆(8月7日〜8月16日)、年末年始(12月24日〜1月3日)の多客期のみの運行となり、本数も2往復のみとなっています。

 

 「和倉温泉」ではバスターミナルには入りませんのでご注意下さい。またJR和倉温泉駅にも停車しませんので、JR七尾線やのと鉄道の列車と乗り換える場合は「七尾駅前」を利用することになります。

 途中の「ひみ番屋街」は「道の駅氷見」内にあり、海産物などお土産品も豊富。立ち寄り温泉や寿司店などもあります。ここに車を停めて、パークアンドライドで和倉温泉へ湯浴みに行くのも良いでしょう。氷見市内〜和倉温泉間は片道800円とお手頃です。

 運賃は先払いで、降車停留所を申告して支払いを行う方式です。フリー乗車券を利用する場合も同様に、券面を提示した上で下車する停留所を申告して乗車します。

 平成28年(2016年)4月1日より、お得な「わくライナーフリーきっぷ」が窓口で販売されています。高岡〜和倉温泉間大人片道1,300円のところ、2日間フリーで2,000円となります。

 和倉ゆきの場合は右側に、高岡ゆきの場合は左側に座り、美しい海岸美をお楽しみ下さい。


*運行ダイヤは加越能バス公式サイトをご参照ください。

 
 ▲お祭り会館前を発車


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[▼]参考文献

 「富山地方鉄道五十年史」
 「北陸鉄道五十年史」
 北陸鉄道社内報「ほくてつ」各号
 「北國新聞縮刷版」各号
 「富山新聞」昭和37年(1962年)6月11日(ご提供:Commuter Rapidさん)
 「加越能鉄道バス電車時刻表」昭和38年・42年・45年・53年版
 「加越能鉄道バス停留所一覧表」(昭和35年(1960年)4月現在
 「富山地方鉄道五十年史」
 「北日本新聞」各号
 「-能登半島の観光地を結ぶ-定期観光定期路線バスごあんない」(昭和52年(1977年)7月発行)
 「国鉄監修交通公社の時刻表」各号


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[▼]停留所一覧

↓ 和倉側の停留所 ↓ *往路・復路ともお祭り会館→和倉温泉の順
和倉温泉お祭り会館前わくらおんせんおまつりかいかんまえ *起点
和 倉 温 泉わくらおんせん *終点 ターミナルではありません
七 尾 駅 前ななおえきまえ *ターミナル横専用のりば
↓ 氷見・高岡側の停留所 ↓
岩 井 戸 温 泉いわいどおんせん *16年4月新設
ひみ阿尾の浦温泉ひみあおのうらおんせん *16年4月新設
ひ み 番 屋 街ひみばんやがい  
新 高 岡 駅しんたかおかえき *15年3月新設
高 岡 駅 前たかおかえきまえ *起終点

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